VS2005、VS2008、VS2010のビルドツールセットの入手
Visual Studio 2013 は MSBuild 4.0 以降のツールセットであれば必要に応じてビルド環境を追加する事が出来ます。
しかしながら、過去のVisual Studio をインストールして環境を整えるという方法では無駄なコンポーネントのインストールが多く、システム環境に少なくない影響を与える事になります。
当サイトでは、Visual Studio 2005 ~ 2010 を仮想PC等の別の環境へ用意して、メインの開発環境へビルドツールセットだけを移植して使用する方法を紹介します。
この記事では移植に使用する ビルドツールセット を用意するための工程を解説していきます。
インストールは仮想PC上の Windows 7 x64 に行いました。インストール対象の Visual Studio のバージョンは 2005(v8) 、 2008(v9) 、 2010(v10) です。それ以前の物は MSBuild という仕組みそのものが存在していなかったため、今回は対象とはしません。
Windows XP 以降でセットアップする場合、 古いVisual Studio はWindows Updateによる更新が行われないため、手動でこれらをインストールする必要があるので注意しましょう。
本記事では以下の工程を解説しています。各 Visual Studio 導入に必要なリソースの入手先、適用させるアップデートも掲載しているので情報源としてお役立てください。
各 Visual Studio のセットアップはVC++のコンパイラのセットと再配布可能マージモジュールを選択します。再配布可能マージモジュールは Program Files (x86) / Common Files / Marge Modules / にインストールされ、各セキュリティパッチにより更新されていきます。
このマージモジュールは、ビルドツールセットの移植先PCに共有dllを導入するために使用します。Visual Studio 2005 と 2008 にはSide by Side アセンブリのモジュールが含まれるため、単純コピーでのdllの配置は推奨されません。
Visual Studio 2005 のセットアップ
Visual Studio 2005 の提供開始から既に10年経過しているためwebページが存在しません。webページがPDF化されているのでインストールするためのリソースはダウンロードする事の出来るPDFを辿って行き入手します。
Visual Studio 2005 に関する情報 – Microsoft
http://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/2005/
Express Edition は以下のURLから入手可能です。
- ISO Visual C++ 2005 Express Edition
http://download.microsoft.com/download/8/E/8/8E85D539-2255-4CFD-AA97-440AE6C6F44A/vc.iso - Web Setup Visual C++ 2005 Express Edition
http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=51410&clcid=0x411
カスタムセットアップでビルドツールセットを含む最小限の物を選択をします。再配布可能マージモジュールは必須です。
Visual Studio 2005 をインストールしたのち、Service Pack 1 を適用します。入手は以下の URL からEdition に応じたものをダウンロードして適用して下さい。
Visual Studio 2005 Service Pack 1 リリース ノート
https://support.microsoft.com/kb/928957/?wa=wsignin1.0
Service Pack 1 以降のアップデートが存在するので以下に列挙します。それぞれ更新を適用して下さい。
- KB937061 VS2005SP1 Crystal Reports セキュリティ更新プログラム
- KB971090 VS2005SP1 ATL セキュリティ更新プログラム
- KB973673 VS2005SP1 ATL for Smart Devices のセキュリティ更新プログラム
- KB2251481 VS2005SP1 XMLエディター用セキュリティ更新プログラム
- KB2538218 VS2005SP1 MFC セキュリティ更新プログラム
- KB2548826 VS2005SP1 セキュリティ更新プログラム
- KB2938803 VS2005SP1 更新プログラム
- KB931906 Security Update for CAPICOM (KB931906)
Visual Studio 2008 のセットアップ
Visual Studio 2008 のインストールには以下の選択肢があります。製品版のライセンスをお持ちの方は手持ちのメディアを使用するか評価版ダウンロードを利用しましょう。他の方は Express Edition が利用できます。
- Visual C++ 2008 Express Edition Web インストールhttp://go.microsoft.com/?LinkId=9348302
- Visual Studio 2008 Express Edition with Service Pack 1 Combo DVD
http://go.microsoft.com/?LinkId=9348306 Visual Studio 2008 Professional Edition のダウンロード
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/bb633753.aspx- Visual Studio 2008 Team Suite 評価版
VS2008TeamSuite90DayTrialJPNX1429236.iso
MD5 8ea5a3e16c51ca4dafa7a877102d4bc8
SHA1 07236cded4d6dbc7130343d1752631cba5554d26
自己解凍用のrar圧縮ファイルになっています。以下をダウンロードしてexeを実行するとisoファイルが出来上がります。VS2008TeamSuite90DayTrialJPNX1429236.part1.exe
MD5 6341f6227252111ed122f74b25ac16fc
SHA1 7ad1d5ba75f4de1f85bf63dcba06f2e4bff6b9a9
VS2008TeamSuite90DayTrialJPNX1429236.part2.rar
MD5 ea548554332460a6baa14d3c39087629
SHA1 0983b199494dbf6a45826c54667ac648f8566188
VS2008TeamSuite90DayTrialJPNX1429236.part3.rar
MD5 1ee940996cfa7836960415efc0ec0cb4
SHA1 be55cd95fac221ae287b48265842756071581d2f
VS2008TeamSuite90DayTrialJPNX1429236.part4.rar
MD5 fcefee1460c338d6fedd9899e16f955e
SHA1 fbbeb3896415516ba981adce1ff4afc96c9d1c2c
VS2008TeamSuite90DayTrialJPNX1429236.part5.rar
MD5 30b7820b02c7a8cbf3bd7d43b054b2c4
SHA1 c286d60033820aa46d61d903212a6b0ec2fb01f6
VS2008TeamSuite90DayTrialJPNX1429236.part6.rar
MD5 34df76ec4848419fa44bdffc6591e039
SHA1 bb2e7a8ec453d6440b035bd55e7ba57730371745
VS2008TeamSuite90DayTrialJPNX1429236.part7.rar
MD5 f5b66ada6c6029595868965a8ebd6650
SHA1 d9b0000768ccc81653f540f476476ebfadbc8ef6
カスタムセットアップでビルドツールセットを含む最小限の物を選択をします。再配布可能マージモジュールは必須です。
セットアップが終了したら、次はダウンロードセンターへアクセスして Visual Studio 2008 Service Pack 1 を入手して適用して下さい。オンラインセットアップが使用できなくなった時のためにISOイメージをダウンロードしておくといいでしょう。
- Download Microsoft Visual Studio 2008 Service Pack 1 (インストーラ) from Official Microsoft Download Center
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=10986 - Download Microsoft Visual Studio 2008 Service Pack 1 (iso) from Official Microsoft Download Center
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=1327
Service Pack 1 以降のアップデートが存在するので以下に列挙します。それぞれ更新を適用して下さい。
- KB2938806 VS2008 SP1 更新プログラム
- KB973675 VS2008 SP1 ATL for Smart Devices セキュリティ更新プログラム
- KB971092 VS2008 SP1 セキュリティ更新 ATL セキュリティ更新プログラム
- KB972222 VS2008 SP1 セキュリティ更新 GDIPLUS.DLL セキュリティ更新プログラム
- KB2251487 VS2008 SP1 XML エディター セキュリティ更新プログラム
- KB2538241 VS2008 SP1 セキュリティ更新 MFC セキュリティ更新プログラ
- KB2538242 MS11-025 Microsoft Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ MFC のセキュリティ更新プログラム
- KB2538243 MS11-025 Microsoft Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ MFC のセキュリティ更新プログラム
- KB2669970 VS2008 SP1 セキュリティ更新プログラム
Visual Studio 2010 のセットアップ
製品版をお持ちの方は製品版のメディア、又は評価版をダウンロードしプロダクトキーを使用しましょう。他の方 Express Edition が利用できます。
- Visual Studio 2010 Trial Downloads | Microsoft Visual Studio
http://www.microsoft.com/japan/visualstudio/try - Visual Studio 2010 Express Edition のダウンロード
http://www.visualstudio.com/ja-jp/downloads/download-visual-studio-vs#DownloadFamilies_4
カスタムセットアップでビルドツールセットを含む最小限の選択をします。
続いて、ダウンロードセンターから Visual Studio 2010 Service Pack 1 をダウンロードして適用してください。Windows 8.1 ではWindows Update によるSP1の適用で失敗するケースが報告されている為、ISOイメージをダウンロードしてメディアから適用する事をお勧めします。メディアのルートディレクトリにあるSetup.exeを実行して下さい。
- Download Microsoft Visual Studio 2010 Service Pack 1 (インストーラー) from Official Microsoft Download Center (追加情報からISOのダウンロードが出来ます)
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=23691
Service Pack 1 以降のアップデートが存在するので以下に列挙します。それぞれ更新を適用して下さい。
- KB2938807 VS2010 SP1 の更新プログラム
- KB3002340 VS2010 SP1 の更新プログラム
- KB2645410 VS2010 SP1 のセキュリティ更新プログラム
- KB2635973 VS2010 SP1 の更新プログラム
- KB2565057 VS2010 SP1 セキュリティ更新プログラム
- KB2549864 VS2010 SP1 Report Viewer 更新プログラム
- KB2529927 VS2010 SP1 の更新プログラム
- KB2890573 VS2010 SP1 の更新プログラム
- KB2467173 Microsoft Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージのセキュリティ更新プログラム
- KB2522890 VS2010 SP1 TFS Build Explorer 更新プログラム
以上で Visual Studio 2013 へ移植するための ビルドツールセット が揃います。
これ何らかのセキュリティのアップデートが行われる可能性もあるので、念のために Windows Update を行っておきましょう。
マージモジュールのパッケージの準備
最後にマージモジュールを利用してセットアップパッケージを作成します。
移植先で作業を行おうとしましたが、Install Shield LEで Visual Studio 2008 に付属する msmファイルからファイルが取り出せないという不具合が生じたため、Visual Studio 2008 に付属するセットアップ作成プログラムでmsiファイルを作成する事にしました。
Visual Studio 2008 を起動してセットアッププロジェクトを作成します。「その他のプロジェクトの種類」から「セットアップと配置」を選んでください。x86用とx64用をそれぞれ別に作成します。ia64用が必要な方は別途作成して下さい。
ソリューションエクスプローラから「追加」 > 「マージモジュール」と選択して行きます。
モジュールの追加では右上のフィルターを使用して、x86とx64の物を選択してください。
x86では「~"*x86.msm"」、x64では「~"x64.msm"」というワードを使用します。この部分一致の検索の仕方は覚えておくと色々と捗ります。
Release ビルドでそれぞれのセットアップパッケージを作成したら作業終了です。
ビルドツールセットの移植に関しては別の記事で取り上げています。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません