VS2005、VS2008、VS2010のビルドツールセットの入手

2015年6月6日

Visual Studio 2013 は MSBuild 4.0 以降のツールセットであれば必要に応じてビルド環境を追加する事が出来ます。

しかしながら、過去のVisual Studio をインストールして環境を整えるという方法では無駄なコンポーネントのインストールが多く、システム環境に少なくない影響を与える事になります。

当サイトでは、Visual Studio 2005 ~ 2010 を仮想PC等の別の環境へ用意して、メインの開発環境へビルドツールセットだけを移植して使用する方法を紹介します。

build-tool-sets

この記事では移植に使用する ビルドツールセット を用意するための工程を解説していきます。

インストールは仮想PC上の Windows 7 x64 に行いました。インストール対象の Visual Studio のバージョンは 2005(v8) 、 2008(v9) 、 2010(v10) です。それ以前の物は MSBuild という仕組みそのものが存在していなかったため、今回は対象とはしません。

Windows XP 以降でセットアップする場合、 古いVisual Studio はWindows Updateによる更新が行われないため、手動でこれらをインストールする必要があるので注意しましょう。

本記事では以下の工程を解説しています。各 Visual Studio 導入に必要なリソースの入手先、適用させるアップデートも掲載しているので情報源としてお役立てください。

  1. Visual Studio 2005 のセットアップ
  2. Visual Studio 2008 のセットアップ
  3. Visual Studio 2010 のセットアップ
  4. マージモジュールのパッケージの準備

各 Visual Studio のセットアップはVC++のコンパイラのセットと再配布可能マージモジュールを選択します。再配布可能マージモジュールは Program Files (x86) / Common Files / Marge Modules / にインストールされ、各セキュリティパッチにより更新されていきます。

このマージモジュールは、ビルドツールセットの移植先PCに共有dllを導入するために使用します。Visual Studio 2005 と 2008 にはSide by Side アセンブリのモジュールが含まれるため、単純コピーでのdllの配置は推奨されません。

Visual Studio 2005 のセットアップ

Visual Studio 2005 の提供開始から既に10年経過しているためwebページが存在しません。webページがPDF化されているのでインストールするためのリソースはダウンロードする事の出来るPDFを辿って行き入手します。

Visual Studio 2005 に関する情報 – Microsoft
http://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/2005/

vs2005-download-2015

Express Edition は以下のURLから入手可能です。

カスタムセットアップでビルドツールセットを含む最小限の物を選択をします。再配布可能マージモジュールは必須です。

detail-vs2005-setup

Visual Studio 2005 をインストールしたのち、Service Pack 1 を適用します。入手は以下の URL からEdition に応じたものをダウンロードして適用して下さい。

Visual Studio 2005 Service Pack 1 リリース ノート
https://support.microsoft.com/kb/928957/?wa=wsignin1.0

Service Pack 1 以降のアップデートが存在するので以下に列挙します。それぞれ更新を適用して下さい。

Visual Studio 2008 のセットアップ

Visual Studio 2008 のインストールには以下の選択肢があります。製品版のライセンスをお持ちの方は手持ちのメディアを使用するか評価版ダウンロードを利用しましょう。他の方は Express Edition が利用できます。

カスタムセットアップでビルドツールセットを含む最小限の物を選択をします。再配布可能マージモジュールは必須です。

detail-vs2008-setup

セットアップが終了したら、次はダウンロードセンターへアクセスして Visual Studio 2008 Service Pack 1 を入手して適用して下さい。オンラインセットアップが使用できなくなった時のためにISOイメージをダウンロードしておくといいでしょう。

Service Pack 1 以降のアップデートが存在するので以下に列挙します。それぞれ更新を適用して下さい。

Visual Studio 2010 のセットアップ

製品版をお持ちの方は製品版のメディア、又は評価版をダウンロードしプロダクトキーを使用しましょう。他の方 Express Edition が利用できます。

カスタムセットアップでビルドツールセットを含む最小限の選択をします。

detail-vs2010-setup

続いて、ダウンロードセンターから Visual Studio 2010 Service Pack 1 をダウンロードして適用してください。Windows 8.1 ではWindows Update によるSP1の適用で失敗するケースが報告されている為、ISOイメージをダウンロードしてメディアから適用する事をお勧めします。メディアのルートディレクトリにあるSetup.exeを実行して下さい。

Service Pack 1 以降のアップデートが存在するので以下に列挙します。それぞれ更新を適用して下さい。

以上で Visual Studio 2013 へ移植するための ビルドツールセット が揃います。

これ何らかのセキュリティのアップデートが行われる可能性もあるので、念のために Windows Update を行っておきましょう。

マージモジュールのパッケージの準備

最後にマージモジュールを利用してセットアップパッケージを作成します。

移植先で作業を行おうとしましたが、Install Shield LEで Visual Studio 2008 に付属する msmファイルからファイルが取り出せないという不具合が生じたため、Visual Studio 2008 に付属するセットアップ作成プログラムでmsiファイルを作成する事にしました。

Visual Studio 2008 を起動してセットアッププロジェクトを作成します。「その他のプロジェクトの種類」から「セットアップと配置」を選んでください。x86用とx64用をそれぞれ別に作成します。ia64用が必要な方は別途作成して下さい。

vs2008-setup-project-for-vc-dll-setup

ソリューションエクスプローラから「追加」 > 「マージモジュール」と選択して行きます。

menu-merge-module-vs2008-setup-project

モジュールの追加では右上のフィルターを使用して、x86とx64の物を選択してください。

x86では「~"*x86.msm"」、x64では「~"x64.msm"」というワードを使用します。この部分一致の検索の仕方は覚えておくと色々と捗ります。

set-fillter-select-module-vs2008-setup-project

Release ビルドでそれぞれのセットアップパッケージを作成したら作業終了です。

vs-dll-setup-package

ビルドツールセットの移植に関しては別の記事で取り上げています。