Visual Studio 2013 のビルドツールセットを拡充する フリー編

Visual Studio 2013 にはプラットフォームツールセットとして Visual Studio 2013 (v120) のツールセットと、Windows XPで動作可能な実行ファイルを作成する Visual Studio 2013 (v120_xp) のツールセットが付属しています。

Visual Studio 2013 では MSBuild 4.0 以降のツールセットであれば必要に応じて追加する事が出来ます。ビルド環境を合わせなければならないような仕事や作業がある場合に、この機能は重宝する事と思います。

この記事では以前のツールセットを所持しておらず、購入するまでも無いけどコンパイラのセットくらいは用意しておきたいという方のために  Visual Studio 2010 (v100) 相当と Visual Studio 2008 (v90) 相当のツールセットを追加する方法を解説します。

vs2013propaty-with-v90-v100-toolset

以前の Visual Studio を所持ていて、そちらを利用してツールセットを追加したい方はこちらの記事(現在執筆中)を参照して下さい。

Visual Studio 2013 ( Community Edition ) のインストールは以前の記事を参照して下さい。ここではツールセットの追加についてのみ解説して行きます。

Windows SDK のインストール

だれでも入手して使用できるリソースとして以下の物が存在します。それぞれの特徴を確認してください。

  • Download Microsoft Windows SDK for Windows 7 and .NET Framework 3.5 SP1 from Official Microsoft Download Center
    https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=3138
    Visual Studio 2008 に付属する VC++ のツールセット相当のコンパイラとライブラリがインストールされます。ただし SDK v6.0A と ATL 、 MFC が付属しません。MSBuild は 3.5なので Visual Studio 2013 では認識できません。
  • Download Microsoft Windows SDK for Windows 7 and .NET Framework 4 from Official Microsoft Download Center
    https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=8279
    Visual Studio 2010 に付属する VC++ のツールセット相当のコンパイラとライブラリがインストールされます。こちらも SDK v7.0A と ATL 、 MFC が付属しませんVisual Studio 2008  および Visual Studio 2010 用のツールセットの設定を MSBuild 4.0 へ導入してくれます。

上記の2つをインストールして行きますが、セットアッププログラムの互換性の問題から .NET Framwork 3.5 をインストールする事になります。

net35install

これを導入した段階で Visual Studio 2013 で .NET Framwork 2.0 ~ 3.5 での開発が可能になります。

あとは通常道理インストールが可能なので上記2つのインストールを行ってください。インストール時の設定はデフォルトのままで構いません。

.インストール終了後に各フォルダーを確認するとコンパイラとライブラリがインストールされている事が見て取れます。

before-install-sdkwin7

実はこのままではツールセットとして使用できません。各 Visual Studio 相当のツールセットであり、そのものでは無いので設定のつじつまを合わせる必要があります。

各種ツールセットのつじつまを合わせる

スタートメニューを右クリックして REGEDIT を起動して足りないレジストリ設定を追加編集して行きます。

run-regedit-from-start-menu-vs2013-custom

Visual Studio 2008 および Visual Stido 2010  のツールセットでコンパイル可能にするために必要なレジストリの設定やファイルの編集方法を以下に記します。32Bit OS を使用している方は Wow6432Node\ を削って読み替えて下さい。

Visual Studio 2010 の設定

  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\VisualStudio\SxS\VS7\10.0
    C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 10.0\
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\VisualStudio\10.0\Setup\VS\ProductDir
    C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 10.0\

edit-registory-vs-msbuild

続いて SDK v7.0A が存在しない場合に SDK v7.0 を採用する設定を MSBuild の設定ファイルに追加します。

Program Files などの Windows や 各ソフトウェアの管理するフォルダは管理者権限が無いと書き換えが出来ないので、別途メモ帳などを管理者権限で起動しておいて、それを利用して書き換えを行っていきます。

run-notepad-admin

編集が必要なファイルは 以下の通りです。敢えて拡張子を出していますが、デフォルトでは登録されている拡張子は非表示なので注意して下さい。

  • C:\Program Files (x86)\MSBuild\Microsoft.Cpp\v4.0\Platforms\Itanium\PlatformToolsets\v100\Microsoft.Cpp.Itanium.v100.props
  • C:\Program Files (x86)\MSBuild\Microsoft.Cpp\v4.0\Platforms\Win32\PlatformToolsets\v100\Microsoft.Cpp.Win32.v100.props
  • C:\Program Files (x86)\MSBuild\Microsoft.Cpp\v4.0\Platforms\x64\PlatformToolsets\v100\Microsoft.Cpp.x64.v100.props

Microsoft.Cpp.Win32.v100.props を例に修正例を提示します。マークしてあるラインが追加項目です。同様に他のファイルも修正して下さい。

 Visual Studio 2008 の設定

  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\VisualStudio\9.0\Setup\VS\ProductDir
    C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 9.0\

続いて SDK v6.0A が存在しない場合に SDK v7.0 を採用する設定を MSBuild の設定ファイルに追加します。バイナリレベルでの互換性を維持したい方は SDK v6.0 を入手して設定しても構いません。

編集が必要なファイルは 以下の通りです。敢えて拡張子を出していますが、デフォルトでは登録されている拡張子は非表示なので注意して下さい。

  • C:\Program Files (x86)\MSBuild\Microsoft.Cpp\v4.0\Platforms\Itanium\PlatformToolsets\v90\Microsoft.Cpp.Itanium.v90.props
  • C:\Program Files (x86)\MSBuild\Microsoft.Cpp\v4.0\Platforms\Win32\PlatformToolsets\v90\Microsoft.Cpp.Win32.v90.props
  • C:\Program Files (x86)\MSBuild\Microsoft.Cpp\v4.0\Platforms\x64\PlatformToolsets\v90\Microsoft.Cpp.x64.v90.props

Microsoft.Cpp.Win32.v90.props を例に修正例を提示します。マークしてあるラインが追加項目です。同様に他のファイルも修正して下さい。

以上で VS2008 (v90) のツールセットと VS2010 (v100) のツールセットを Visual Studio 2013 から利用可能になります。 当然ながら ATL と MFC を使用したソースコードはビルドできません。

WDK 等をインストールしてもビルドツールセットを増やすことが出来るので興味のある方は入れてみるといいでしょう。

有償版の Visual Studio を使用したビルドツールの拡充は、また別の機会に解説します。

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